秋の日に
マミちゃんは、まつげの長い女の子だった。
マミちゃんのことで思えていることは、服装がいつも赤い色がとてもにあっていた。マミちゃんは、まつげがクルンと長くって、いつもニコニコしている子だったのを覚えている。
マミちゃんは、転校生で、7月に転校してきたばかりだったのに、お父様の仕事ん関係で今月10月には、また別の学校に転校するこが、急に決まったらしい。だから、マミちゃんには、お友達は誰もいない。だからクラスで先生が、マミちゃんのお別れ会を開いただけだった。マミちゃんは、お葬式みたいなお別れ会を、ニコニコしながら参加していた。
私も別段、仲がいいわけではなかった。ただ、家がチョット近いくらいで、噂好きな母さえも、
「転校するんだって?こないだ来たばかりの子?」
と、町内でも噂になっていたらしい。
そんなマミちゃんが丁度引越しする日のこと。
たまたま、近くの駄菓子屋さんでマミちゃんと出会ってしまった。
「こんにちわ、吉田さん」
マミちゃんは私の苗字を言うと、ニコニコとまたいつものように笑っていた。私は、驚いて、つい、
「マミちゃん、今日引っ越すの?」
と、なんだかよそよそしく聞いてみた。
「うん、もう行くところなの。」
マミちゃんは、ニッコリと美しい笑顔で笑った。まるで、真っ白な子猫のように。
余りにも親しげに話すものだから、私も釣られて、
「どのお菓子買ったの?」
と、聞いたら、
「苺飴を買ったの」
ほら、っと言わんばかりの勢いで、袋に入ったひとつだけの苺飴を私に見せてくれた。
「吉田さんは、何買うの?」
「私も苺飴・・・」
私は、駄菓子屋さんのおばちゃんに、お金を渡すと、ひとつだけ苺飴を人売ってにとった。
「私と同じね」
嬉しそうにマミちゃんは、笑った。笑うと、まつげが綺麗に見える。
「ああ、もう行かなくちゃ・・・」
マミちゃんは、私と反対方向を見てからそう言った。
「もう行くの?」
私は、つい言ってしまった。
なんだか、行ってはいけないような言葉を、私は行ってしまった気分になって、ちょっと公開をしてしまった。
「うん、そうなの・・・」
マミちゃんは、不思議な表情をしていた。
「うん、そうなの」
マミちゃんは。そう言うと、
「バイバイ。吉田さん」
と、手を振った。そして、私に背を向けると、家の方に向かっていった。
私もバイバイと言って、それを見送った。
マミちゃんは一度も振り向くことなくに、二つ先の角を曲がっていった。
小学4年生の秋のことだった。
0コメント